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オランダとスペインは なぜそこまで銀を求めたのか? そして舞台は大坂の陣!

当時良質な銀を国外へ持ち出すことは禁じられていました。スペックスは家康との交渉に乗り出します。
「スペックスは家康が好む商品を入念に調査。献上品として用意していました。家康様への贈り物として美しい毛織物、色とりどりのガラス、最高級の鏡が喜ばれるだろう」

しかし家康がより強く求めたのは兵器でした。

スペックスはすぐさま準備に取り掛かります。オランダ東インド会社の貿易ネットワークを駆使し兵器をかき集めようとしました。

オランダの動きに焦ったのがスペインです。負けじと家康のもとに使者を送り込みます。ロドリゴ・デ・ビベロ。

ビベロは家康との交渉に有効なカードを持っていました。鉱山技師です。最先端の技術を持つスペインの技師がいれば日本の銀の生産量をさらに伸ばすことが可能でした。

ところが鉱山技師を派遣するには条件が。
新たに採掘した銀の半分はスペインのものとすること
オランダ人を国外追放すること

中でも最重要の条件がありました。
キリスト教の教会を建て宣教師を置くこと

スペインは必ずしも商人ではなく聖職者もついてきます。彼らにとってはキリスト教布教と貿易は表裏一体であったんです。必ずキリスト教布教も許しなさいと一点張りでした。

貿易とともに強く布教を求めたスペイン。そこには隠された狙いがありました。ビベロが密かに国王に贈っていた文書です。
「日本には数多くの銀の鉱脈があります。この地に侵入するのは極めて有益です。しかし軍事力に秀でた日本を征服するのは容易ではありません。キリスト教の布教を進めるべきです。キリシタンの数が増えれば家康の死後、陛下を新たな王と仰ぐことでしょう。」

スペインの野心を察知したオランダは家康に訴えます。スペインはキリスト教を広めキリシタンの反乱によって国を崩し征服しようとしています。フィリピンもメキシコもこの方法で支配下に置き植民地にしてきたのです。

この言葉でスペインへの不信感を募らせた家康は交渉を打ち切ります。更にキリスト教の全面的な踏み切り各地で厳しい弾圧の嵐が吹き荒れました。

布教の道を立たれたスペインは新たな策を講じます。宣教師たちが目をつけたのは大坂の豊臣家。家康と敵対する豊臣秀頼に接近したのです。

それぞれの思惑が絡み合う中、戦国最後の合戦が始まろうとしていました。

日本の銀をめぐってしのぎを削ったオランダとスペイン。なぜそこまで銀を求めたのでしょうか?

その理由は経済の仕組みの劇的な変化現在まで続くグローバル経済の誕生です。

大航海時代アメリカ大陸で大規模な銀山が見つかると銀貨が大量につくられます。これこそ世界中で使われる初の国際通貨でした。

銀貨によってヨーロッパの商人たちは東南アジアの香辛料や中国の陶磁器など世界各地の商品を購入できるようになります。ヨーロッパ、アジア、アメリカが銀によって結ばれ国際貿易が活性化。地球規模の全く新しい経済が誕生していたのです。

銀を巡って争ったオランダとスペイン。その行く末を決める舞台となったのが大坂の陣でした。

つづく

funa-karui.hatenablog.com

 

NHKスペシャル 戦国~激動の世界と日本(2)「ジャパンシルバーを獲得せよ」』より

 

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