アルミホイルが片面だけキラキラなのは・・・!! 2枚重ねて圧延!?
アルミホイルが片面だけキラキラなのはなぜだと思いますか?
それは薄くした結果そうなったのだそうです。
アルミニウム会社社長
「アルミホイルが片側だけキラキラしているのは薄さを追求しようとしたからなんです。アルミホイルの薄さは0.011mmしかないんですよ。髪とほぼ同じ薄さなんです。」
アルミホイルが生まれたのは今から100年以上前。ドイツのラウバー博士がフレーク状のアルミを薄く広げアルミ箔を作ったのが始まりです。
アルミニウム会社社長
「当時は食品用ラップフィルムなどがなく湿度を防ぐ梱包材として使われていました。」
それまではスズで作ったスズ箔が使われていましたが食品に金属の匂いが付くという難点が。アルミはその問題を解決。更に安くて強度が高く香りを保ち防虫効果もあることから重宝されるように。
日本にやってきたのは昭和5年ごろ。タバコやチョコレートの梱包材として使用されます。
アルミニウム会社社長
「実は当時のアルミ箔は暑さ0.008mmでした。」
スタッフ
「あれっ。今のアルミホイルより薄いってことですか?」
アルミニウム会社社長
「そうなんです。でもその厚みでしたらそのままでは使えず、だいたいはアルミと紙の貼り合わせをして使っていました。」
いわゆる銀紙です。ではいつ今のようなアルミだけのホイルになったのでしょうか。
アルミニウム会社社長
「弊社では1958年に日本で初めてオーブン料理に使うためのアルミだけの(家庭用)アルミ箔を発売したんです。ちなみにこの当時の薄さは0.015mmでした。更に薄くて耐久性があって使いやすいアルミホイルを追求した結果、現在の0.011mmになりました。」
アルミニウム会社社長
「この薄さを作り出すため片側だけキラキラしたアルミホイルになってしまうんです。」
薄さを追求すると片面だけがキラキラになるとはどういうことなんでしょうか。
工場職員
「まず0.3mmのアルミを圧延機で薄くのばしてアルミホイルにします。」
およそ1.5トンあるローラーでアルミを挟み薄くのばしていきます。
工場職員
「圧延機に一度かけると0.3mmが0.1mmになります。」
アルミ箔を圧延した時の焼き付き防止としての潤滑油をかけながら次々に幅の狭いローラーにかけてのばしていくこと3回。0.022mmになります。この時はまだ両面キラキラです。
この後の工程で片面だけがキラキラになってしまう秘密があるのです。
ここでのローラーの間隔は0.022mmになる設定。どうやって0.011mmにするのでしょうか。
まず0.02mmまで薄くなったアルミを1枚を引き出しもう一つのアルミロールに乗せました。
工場職員
「アルミ箔を2枚重ねて圧延する重合圧延という工程です。」
スタッフ
「薄くするのに2枚重ねるのですか。」
工場職員
「はい。2枚重ねます。」
なんとアルミを2枚重ねてローラーの中へ。1枚0.022mmだったアルミホイルは0.011mmになって送り出されます。
この状態ではまだ両面キラキラ。しかしこの2枚をはがすと・・・。
工場職員
「アルミ箔が重なった面がツヤのない面になります。」
アルミの外側はローラーによって表面が整えられピカピカになりますが内側はアルミニウムが自由に変形するためデコボコになります。
それをはがすので片面がデコボコに。
表面がツルツルだと光をそのまま反射するのに対しデコボコの面は光が乱反射してくすんで見えるのです。
しかし、なぜ2枚を重ねる必要があるのでしょうか。薄くしたいのならローラーどうしを近づけていけばいいはずですが。
工場職員
「(近づけすぎると)ローラーどうしが接触してしまって薄くできなくなります。」
そこでローラーどうしの間隔を保ちつつ0.011mmという薄さになるように2枚重ねて作ることにしたのです。
工場職員
「効率と薄さを求めるため2枚圧延をしています。」
ということでアルミホイルの片面がキラキラなのは薄くするためでした。
『チコちゃんに叱られる!▽アルミホイルの謎』より
ここまでお付き合いいただきありがとうございます m__m