キノコに「カサ」がある理由は・・・!! 飛行機の翼と同じ仕組み!?
スーパーに並ぶいろいろなキノコにはたいていカサがあります。ではキノコにカサがあるのはなぜなのでしょうか?
答えは上昇気流を生み出すため。
キノコにカサがあるのは上昇気流を生み出すためということが1つ考えられます。胞子を拡散するために気流に乗せて遠くに飛ばすんです。
胞子とはキノコにとって種のようなもので大きさは約0.002mmから0.02mm。キノコはこの胞子を放出することで増えていきます。
キノコのカサの裏側にはヒダがあって一般的にはたくさんの胞子が付いています。キノコは胞子から発芽した菌糸が成長して増えるのですが胞子をわざわざ遠くに飛ばすのには理由があります。
キノコは自分の仲間をたくさん増やしたい、環境のいいとこを選んでいきたいということから遠くに飛ばしたいんです。
胞子を近くにしかまけないと豪雨や土砂崩れによって全滅してしまう恐れがあります。そのため胞子を遠くに飛ばし様々な場所に生えることでそのリスクを回避しているのだそうです。
しかし遠くに飛ばしたいなら上から放出した方がよさそうですが、なぜ下からなのでしょうか。
カサを離れた胞子は下に落ちていかず空気中をゆらゆらと漂っています。そしてよく見るとカサの下から出ると舞い上がっているように見えます。
胞子はカサから下に向かって放出されたのち上に舞い上がることで風に乗って遠く広く飛んでいくことができるんです。
この胞子が下から上へ舞い上がる理由は飛行機の翼を使った実験を見ればわかるそうです。翼の断面に空気の流れがわかるように風を当ててみると翼の上を通過する気流は山なりになっているのに対し翼の下を通過する気流はほぼ真っすぐ流れています。
この時、翼の上部に気圧の低い部分が生まれます。気圧の高いところから低い所へ働く力、これが揚力です。この揚力によって飛行機の翼は上に上がり飛ぶことができるのです。そして、空気は気圧の高い所から低い所へ流れるため端の方では下から上へと気流が生まれます。
キノコのカサもこの仕組みと同じだということです。キノコのカサの上と下で気圧に差が生まれます。上は気圧が低くて下は気圧が高くなります。キノコも同じように風が当たった時カサの下と上とでは気圧に差が生じそれによって生まれた気流によって胞子は舞い上がり風にのって遠くに飛んでいくというのです。
キノコの胞子が舞い上がる理由は地熱や地面の水分の蒸発によって生まれる上向きの空気の流れも関係しますがキノコのカサの形が上昇気流を生み出しているということも一つの要因だと考えられます。
更に胞子がカサの下にあるメリットがもう一つ。雨から胞子を守るそして濡らさないということ。実際キノコに水をかけてみると確かに裏側は全く濡れていません。まさに「カサ」。胞子を濡らさないで遠くに飛ばす。その軽さを維持するためにカサで守っているということになります。
胞子を飛ばすためにカサを作るキノコですがその形には様々なものがあります。カサの部分がいびつな形をした「ノボリリュウタケ」や房のように糸状に垂れ下がった「ヤマブシタケ」などは胞子を遠くに飛ばしずらそうですが、なぜこのような形になったのでしょうか。
キノコの形と胞子を飛ばす因果関係がまだ確実にはわかっていないということです。キノコはまだまだたくさん研究することが残っています。
『チコちゃんに叱られる!』より
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