家康の命に従うか それとも・・・ 官兵衛に選択の時が近づいていた
関ヶ原の戦いに乗じて九州の西軍勢力を次々と撃破していった官兵衛は最後まで残った西軍 島津氏を攻めるため薩摩へと軍を進めた。
先鋒に選んだのは降伏させたばかりの名将 立花宗茂。さらに加藤清正と鍋島直茂の九州の雄2人の兵も加わり軍勢は4万を超えた。
しかし薩摩との国境 水俣まで進軍したところ家康から思わぬ書状が届く。
立花宗茂を召し連れて薩摩へ出陣し 加藤清正・鍋島直茂と相談して戦うとのこと
まず年内は中止することが もっともなことです
家康は島津への攻撃中止を命じてきたのだ。
島津攻めを前に大きな選択を迫られた官兵衛。
その心のうちに分け入ってみよう・・・
1.家康に従う
「ここは家康殿の命に従い島津攻めをやめるべきか。たしかに武勇名高い島津は手ごわい相手だ。」
武勇の誉れ高い猛将 島津義弘。関ヶ原の戦いで敗れたとはいえ壮絶な敵中突破を成功させ薩摩に帰国している。
九州各地を攻め落とし軍を膨らませていった官兵衛だが島津の武力は侮れないものだった。
「関が原では長政が大活躍をしたと聞く。これで長政は大きく加増されることだろう。しかもこれまで手に入れた土地は我が領土に加えていいと約束もいただいている。ひとまずここで満足すべきであろうか・・・」
2.家康に従わない
「いや待て。今の我が兵力があれば島津を破ることも可能なのではないか。家康殿の命に背くことになるが島津を降伏させてしまえば認めざるを得まい。」
小和田
「加藤清正と自分が力を合わせてやればなんとか島津を抑え込めるみたいな自信は持っていたと思います。そういった目で見ると官兵衛にはなんでここで停戦しなきゃいけないのっていう、そういう不満というかな、これはあったと思いますね。」
実は官兵衛が薩摩進行の先鋒を任せた立花宗茂は島津とも懇意だった。官兵衛自身も以前から島津義弘と親しくしていたことがわかっている。
島津とあえて戦わず和睦して傘下におさめることのできる状況である。
もし島津を引き入れることができれば九州一円が官兵衛の配下となり家康と対等に向き合える可能性もあった。
家康に従い島津攻めを中止するか。
それとも家康に従わず九州全土を支配下に置くことを狙うか。
官兵衛に選択の時が近づいていた。
つづく
出演者
【出演】千田嘉博 小谷賢 平山優
【VTR出演】小和田哲男
【語り】松重豊
『英雄たちの選択 戦 「九州 もうひとつの関ケ原~軍師・官兵衛 知られざる野望」』より
ここまでお付き合いいただきありがとうございます m__m