はてなブログProへの道

ゆくゆくはProへ昇格したいと思っておりますが、いつになることやら、、、

その時 黒田官兵衛に天下への野心はあったのか? 長政の遺言状に書かれていた驚きの内容とは

 

funa-karui.hatenablog.com

杉浦
「家康の停戦命令に従って官兵衛の九州での戦いは終わりを迎えました。ここでみなさんと一緒に考えたいのは官兵衛には天下への野心があったのかどうかということなんですけれど。」

平山
「資料を見る限りでは、そこまで野心があったというふうにはどうも見えないんですけど。ただもっと暴れたいという意思ははっきりわかるんですよね。」
「彼の多分2段構えの考え方があって、最初はまず九州の覇者になることが彼の目的だった。その覇者もですね力で抑え込むのではなくて東軍についた人間も西軍についてきた人間もすべての勢力、大名から頼られる存在として九州をまとめ上げて。」
「で、9月の16日、関ヶ原の翌日に出した官兵衛の手紙の中にですね、岩国を超えて広島まで行くっていうような考えが書かれているんですよ。だから情勢次第では中国地方に打って出るっていう考え方がどうもあったようで。」
「ですから天下の野心というよりも勢力を広げてそして政局に大きな存在感を打ち立てたいという意欲があったことは確かだと思います。」

小谷
「たぶん本人は秀吉とずっと戦ってきて自分は天下人の器ではないという自覚があったんじゃないかというふうに思いますね。」
「でやっぱり、彼は参謀としてはとても輝くんだけれども自分が天下取りまでできるかどうか、また誰かにつくのであればいいんですが・・・まあそういう人も西軍には見当たりませんし。まあそうなると平山先生がおっしゃったようにできる限り自分の領土を広げるというところ辺りがまあ最終的な目的だったんじゃないかと思います。」

千田
「いやこれ官兵衛ですね、ある意味本気だと思いますね。これは例えば福岡にお城をつくるんですけど、今はやっぱり福岡ともう一つ博多ってあるじゃないですか。で実は日本屈指の港で中津もそうですけれど福岡ってところはまさに日本の全体の流通の要になる、あるいは東アジアの、まあ海外との交流の要になる日本屈指の港であって。」
「つまりですね、博多を得た官兵衛ってのは中津以上にそういった公益や交流の拠点を押さえてそこをもとにっていう作戦の展開ができていくわけですから、オール九州をバックにして、そして東アジアの交易もですね自分のところでコントロールしている、違う時代をこれから作っていくというですね、そういう思いは心の中にきっとあったんだと思うんですよね。」

平山
「博多さえ押さえちゃえばね、軍事物資とかあらゆる物資は外国から入ってくる。特に鉄砲の硝石は博多を通じて畿内の堺とかに流れている。そこを止めちゃえば、家康の方に軍事物資が届かないということだって十分にあり得る。」
「あの今回の九州の関が原で歩兵を集めたってことが重要視されてますけど、実はね、海賊を集めてるんですよね、官兵衛。意外と知られてないんですけど。能島のあぶれ者どもって言って能島の海賊衆をを金で雇って。だからほんとに海を押さえ陸を押さえ発想が官兵衛にはちゃんとあるんですよね。」
「だから僕は家康に従わないを選択したんです。」

杉浦
「凄い用意周到に念入りな準備が、何が起こってもいいようにちゃんと準備をしていたんですね。」

磯田
「いや~このへんが官兵衛の凄い所なんですけど。あの~ただ僕は家康の方がちょっとうわてなところがあったのが、やっぱり嘘つくわけなんですよ。切り取り放題で実効支配したところを全部くれるわきゃないと官兵衛も思ってたんだけど、ふたを開けてみたら52万石って言われたんですよ。」
「官兵衛からしたらちょっと勘弁してくれよということなんですよ。なぜかというと52じゃどうにもなりませんよ。その周りに置かれている大名が、だいたい35万石ぐらいあるわけですよ。どこ攻め取ろうとしたって2倍は持ってなきゃ容易にはいきませんね。これはね。絶妙な数字を家康は言ってきたもんだと思います。」

杉浦
「あ~そうか、そこも家康がちゃんとうまくコントロールしているんですね。」

磯田
「そうです。家康が天下を取れたのは関が原で勝ったからだけど、勝った後に黒田を52万石にとどめたってことも豊臣家が滅ぶ原因かもしれないですよ。」

杉浦
黒田長政の遺言状には九州の大名が結束して家康と戦うという官兵衛の計画が書かれていましたけれど、これが実際に実行されていたらどうなっていたのか、ちょっと気になるんですが。」

千田
「いやこれはワクワクする話ですよね。やはり関ヶ原の時も今の教科書をみると西軍東軍と最初から分けられていますけど、実はそれぞれの大名って随分こう揺れ動いてるんですよね。こちらが勝つなっていうことになったら慌てて東軍でした、っていうふうにですね、ということになりましたし。」
「官兵衛自身がですねまさにオール九州で、そしてまあ西日本の大名たちが結束していくっていうことができればですね、教科書で私たちが知ってるようなその後の江戸幕府へスッと変わっていくというああいう歴史にはならなくて、豊臣政権の行方にもそれから黒田家の歴史にとっても、これはそれに懸けてみる可能性っていうのは大いにあったんじゃないかなというふうに思います。」

磯田
「いや~ほんとそうですよね。遺言状に書いてあるっていうのはこんなことがうちでもできるんだけどやらなかったから今の徳川があるんだよといって、それで黒田家の徳川政権下での安全を保つと。」
「ただ1個だけこの遺言状っていうのは恐ろしいことが紹介されてない部分に書いてある。ここの博多をずっと持っていれば天下の富のかなりの部分はここに集まると書いてある。そのうちに徳川だってひと波乱もふた波乱もあるよ、どうだろうねと脅し文句が書いてある。貿易やったら実は52万石でも博多の交易力で200万石にでもできるかもしれない時期ですよね。」

杉浦
「その物語もちょっと見てみたい感じはしますよね。」
「歴史に“if”はありませんが“if”について語るのもこう言ったいろんな想像がわくので楽しいですね。」

 

 

おわり

 

 

出演者

【司会】磯田道史 杉浦友紀

【出演】千田嘉博 小谷賢 平山優

【VTR出演】小和田哲男

【語り】松重豊

 

『英雄たちの選択 戦 「九州 もうひとつの関ケ原~軍師・官兵衛 知られざる野望」』より

 

ここまでお付き合いいただきありがとうございます m__m