円周率の3.14って誰がどのようにして導き出したのかご存知ですか?
円周率がずっと続くのはなぜ?
それは・・・
円の長さを正確に測るのは本当に無理だから。
専門家
「そもそも円周率ってどういうものかご存知ですか。」
円周率とは円の直径と円周の長さの比率のこと
円周=直径×円周率
つまり円の直径を何倍したら円周の長さになるかを表した値のことです。
「人間が円周率に興味を持って調べ始めたのはおよそ4000年前。古代バビロニアの人々は実際に描いた円で測っていました。」
計測した結果、彼らは直径の3とちょっと倍が円周の長さになる、つまり円周率が3とちょっとであることを発見します。
「この方法でもし正確に円周率を求めようと思ったら、正確な円を描くということが必要になってしまうんです。」
「でも、それは不可能なんです。」
一体どういうことなのでしょうか。
「例えばコンパスにしても鉛筆の線の太さってどんどんかわりますよね。」
コンパスを使って円を描いてみると一見きれいな円に見えます。
しかし2か所をアップにしてみると線の太さがわずかに違うことがわかります。
「この太さが変わってしまうと円周の長さが変わってしまいます。」
極端な例で見てみると円周は外側、内側、真ん中、いったいどこを測ればいいのかハッキリしません。
線の太さが場所によって変わってしまうと中心からの距離も変わりますから、それは正確な円ではなくなってしまうのです。
「地面に線を描くのも同じで線の太さが変われば正確な円ではなくなってしまうんです。」
「正確な円を描くことができないので実測によって正確な円周の長さを測ることができなかったんです。ですので、円の長さを測るのは本当に無理なんですね。」
ではどうやって円周率3.14を導き出したのでしょうか。
「紀元前250年頃、アルキメデスが画期的な方法で導き出しました。」
天才科学者アルキメデス。アルキメデスの原理やてこの原理を導き出した人物です。
「アルキメデスは円を多角形で内側と外側から囲み、円周は2つの多角形の周の長さの間になるはずであると考えたんです。」
アルキメデスは円の外側に接する正六角形と内側に接する正六角形作ってみることにしました。
この一部を拡大してみると円周、つまり黒い線は青い線より長く赤い線より短いことがわかります。
このことから円周は赤い線の長さと青い線の長さの間にあるはずだとアルキメデスは考えたのです。
「アルキメデスはこの多角形の角の数を増やせばどんどん丸に近づくようになるんじゃないかと考えたんです。」
先ほどの正六角形を倍の角を持つ正十二角形にしてみると青と赤の線はより円に近付いたことがわかります。
「正六角形より正十二角形のほうがより正確に。正十二角形より正二十四角形の方がさらに正確に円周率を求められるのではないかと考え、正96角形を使って導き出しました。」
「そこから求められた円周率がこれです。」
3.14084507 < π < 3.142857142
ついに3.14が決まりましたね。
「はい。ただアルキメデスはここまでと結論しているんです。」
「ちなみに1600年にルドルフ・ファン・コーレンというオランダの数学者が約461京角形を使って円周率の範囲を求めたそうです。」
先生、こうなるといくらでも角を増やして行けそうじゃないですか。
「そうなんです。増やしていこうと思えば果てしなく増やせるんですよ。」
「461京角形よりは1000京角形の方が正確になりますし、1000京角形より1垓角形の方が正確になるんですよ。」
「果てしなく続き終わりはないんです。」
このように円の長さを正確に測ることはどこまでも続いて本当に無理なので円周率はずっと続くということになります。
「実は円周率は少数が同じ数字をくり返すことなくずっと続くということはすでに証明されているんです。」
「数字がずっと続くということだけはわかっているので人類は小数点の先を知りたがって新たな桁に挑戦しているんです。」
ちなみに今、円周率は小数点いくつまでわかってるんですか。
「2020年にギネス世界記録を更新したアメリカのティモシーさんが導いた50兆桁です。」
ということで円周率がずっと続くのは 円の長さを正確に測るのは本当に無理だから でした。
『チコちゃんに叱られる!▽円周率の謎』より
ここまでお付き合いいただきありがとうございます m__m