ご飯を入れる器を “茶わん” というのはなぜだと思いますか? それは・・・!!
さて、みなさんはごはんを入れる器はお持ちですか。
それって何て呼んでますか?
茶わん
ですよね。
ごはんを入れる器は茶わん。
ごはん
茶わん
んっ!?
今回はそんな疑問にお答えする回です。
それでは本題です。
なんで ごはんを入れる器を “お茶わん” って言うの?
それは・・・
焼き物の器はどんなものでも “お茶わん” と呼ばれていたから
専門家
「『茶わん』というのはもともとその名前の通りお茶を飲む器として中国からお茶と一緒に伝わってきたものと考えられています。」
「古くは平安時代の文献に『茶』という言葉が登場していて日本人とお茶、そして茶わんとの関係は1000年以上も続いているんです。」
このように古くから日本人と関わりのあるお茶ですが、昔のお茶は今とは少し違う存在だったようで
「鎌倉時代に書かれた『喫茶養生記』という書物ではお茶のことが病気に効く薬と書かれています。」
当時のお茶は現在のように一般的な飲み物ではなく身分の高い人だけが薬として口にできる高級品だったのです。
「同様にお茶を入れるための茶わんもそのほとんどが中国から輸入されたものであり高級品だったんですね。」
その後、国内でも積極的にお茶が作られるようになり室町時代以降徐々に薬としてではなく現在と同じく純粋に飲み物としてお茶を飲むように変化していきます。
「『一服一銭』という道端でお茶を売る人がいたり、かの有名なお茶人の千利休が活躍したのもこの頃のことです。」
「そして貴族だけではなく多くの人がお茶を飲み茶わんに触れるようになったこの時代、この『茶わん』という言葉には2つの意味が存在していたんです。」
「1つがお茶を入れる器という意味の茶わん。そしてもう1つが用途や形によらないで焼き物全般を表す意味で『茶わん』という言葉が使われていたんです。」
ということは、焼き物が全部『茶わん』ということなんですか。
「そうなんです。」
当時の文献には現在でいう焼き物の香炉やろうそくを置くための燭台も茶わんと書かれています。
その他にも花瓶や鉢などお茶を飲む容器以外でも焼き物であればすべて茶わんと呼んでいたのです。
「おそらく当時の人々にとって『お茶』というのもが非常に重要で身近なものであったために焼き物全体を表す言葉として『茶わん』という言葉が使用されたのではないかなと思います。」
『茶わん』が焼き物全体を表す言葉だったため現在のご飯を入れる器を『茶わん」と呼ぶ文化が生まれたと専門家はおっしゃいます。
というのも・・・
「江戸時代以降、日本の焼き物技術が高まり大量生産が可能になったことで値段もお手頃になっていくんです。」
それまでごはんは木のお椀に入れて食べるのが一般的でしたが焼き物の普及によりそこにご飯を入れて食べる人が増えていったのです。
「このような変化が起こった原因の一つとして考えられるのが、ごはんのこびりつきやすさなんです。」
「少しでも食べ残しがあるまま放っておくとご飯は硬くなって器にこびりついてしまいますよね。一般的な木のお椀に比べ焼き物のお椀の方が表面が滑らかでごはんがこびりつきにくいんです。」
「そのためご飯を焼き物の器で食べるようになり、もともと焼き物が『茶わん』と呼ばれていたので、ご飯を食べる器も『茶わん』と呼ばれるようになった。このように思われます。」
ということでごはんを入れる器を『お茶わん』というのは 焼き物の器はどんなものでも『お茶わん』と呼ばれていたから でした。
※木のお椀の中でも漆塗りのお椀は表面が滑らかになっていてご飯がこびりつきにくく、現在でもご飯を入れる器として使用されています、とのことです。
『チコちゃんに叱られる! ▽お茶わんの謎』より
ここまでお付き合いいただきありがとうございます m__m